戦国JC (ジェットコースター2017)  HOME  戻る

 2017年、尼崎北高校69期生1年1組環境類型クラスが製作したジェットコースター。
 再建される地元の尼崎城をテーマに2年4組と3組が製作した大人形と校門アーチにタイアップして、城壁のコースを天守閣のゴールまでJC(ジェットコースター?女子中学生?)が馬で駆け下りるという設定で、「戦国JC」と名付けた。
 歴史的には、尼崎城の天守閣は江戸時代に作られ、戦国時代の尼崎城とは別らしいので、ジュラシックパークに白亜紀の恐竜が出てくるようなものです。
 材料の木材は全て廃材で、コースはコンパネやベニヤではなく、廃材とした手に入れた紙パネル(厚さ4mmのボール紙)で製作。木製コースターでも怖いと言われるが、世界初?の「紙製ジェットコースター」となった。紙パネルは表面は硬いが、2枚重ねして接着してもコースの底板としては弱いため廃材で作ったスノコで斜面を作り、その上に紙パネルのコースを設置した。設計に合わせて材木を買うのではなく、手に入れた廃材に合わせて作るのは知恵と手間が必要だが、「全て廃材」という環境類型にふさわしい作品となった。廃材解体時に抜いた釘まで使い、材料として購入したのは、車体2台分の車輪24個とボルト類の1万円だけだった。ただし、紙パネルの接着に木工用ボンド4000円分を費やすなどの出費はあった。
 車体設計はジェットコースター2005とほぼ同じで、大きな車輪を使いながらシャーシを工夫して車高を地上4cmに下げ、横転の危険性を減らすために横上の車輪の位置を高く、横下は低くした。また、走行車輪の幅(トレッド)など、各車輪の間隔も広くとって安定走行できるようにした。
 
 コース設定はジェットコースター20002005を踏襲し、最後のヘアピンカーブでほぼ完全に減速するため、特別なブレーキは必要ない。スタート地点(写真左の右上)の高さは135cmに抑えて安全な走行を第一とし、速度が落ちすぎたときはコース各所に配置したスタッフが後ろを押して加速した。最も重労働となる車体のスタート地点への持ち上げを2段階に分けたり、車体を2台作ってローテーションを短くするなど、システムの最適化にも心がけた。スタッフが常にコースやボルトなどに目を光らせ、異常が生じればメンテナンス時間をとって補修した。

 ブームになってしまった教室ジェットコースターの今後の指針として、過度のスリルやスピードを求めるのではなく、安全重視のオーソドックスな構造に磨きをかけ、円滑な運営を工夫し、学校独自の文化や明確なテーマを盛り込んで個性を示すことを目指した。

"Jet Coaster" produced by 1-1 and E.Yoshida