クリスタル通天閣  HOME  戻る

 2012年9月、尼崎北高校2年1組の生徒が、2年3組製作の大人形「ビリケン」に合わせて製作。
 尼崎北高校では、文化祭の伝統として、大人形と、それに合わせた校門アーチが毎年作られてきたが、校門アーチは例年、ベニヤ板を貼り合わせた単純な形で、ペイントに凝っているというものでした。
 そこで、全く違う物を作ろうと、ペットボトル5000本以上を使って、通天閣をデザインした高さ6m強の塔を製作。塔の中に6基の投光器を備えて、ライトアップも行いました。
 背中に校舎という支えがある大人形と違って、風の影響も大きく何の支えもない空間に塔を建てるため、角材の骨組みを多めに入れて強度に配慮した設計としました。
 また、製作時期が夏の集中豪雨の時期なので、骨組みを屋外で作り、校舎の中に入れてペットボトルを取り付けたり装飾を加え、再び屋外に出して、一気に組み上げるという作戦を取りました。このため、各パーツの大きさや組み方に工夫が必要となりました。



 担任の私にとっては、24年前に大人形クラスの担任をした高校に18年ぶりに舞い戻った最初の年に、アーチを作ることになったのは不思議な気がしました。
 アーチ製作を希望するクラスが5クラスもあって抽選となり、「神様に選ばれたら作ろう」と言っていたのですが、何か、運命的なものを感じながら取り組んだ文化祭でした。
 また、計画当初はエコをテーマにするというだけで、牛乳パックで作るか、ペットボトルで作るかも決まっておらず、設計も資材集めも製作も難航し、何度も危機に陥りましたが、みんなが協力して、なんとか作り上げました。
 Made in Japan とは思えない工作精度の低さに、「おい。これはなんや」と何度も問いかけましたが、不器用に育っている生徒たちには、よい経験になったと思います。
 ライトアップの瞬間は、みんな、疲れがたまっていたこともあり、写真では表せない幻想的な美しさでした。
 ガムテープサイズのセロテープは多用しましたが、ペットボトルに着色したり接着剤を塗らなかったため、ペットボトルゴミとして廃棄できました。この点は、結構エコだったかもしれません。
 番外編として、宣伝用に、通天マンというのを考えたのですが、これには生徒は誰も賛同してくれませんでした。


"Crystal Tsutenkaku" produced by 2-1 and E.Yoshida