春蘭柄物 今回は春蘭柄物のなかで代表的な芸の詳細をご紹介しようと思います。 葉芸は花物に比べて言葉で説明するのがやや難しいのですが、本号で一般的な見方が判って頂けるものと思います。 「虎 斑」 斑(薄黄又は黄色)がくっきりと葉を横断した模様になります。 この芸は華麗な印象となるので、仕上がった作品はまことに絢爛豪華という他はありません。 代表種:守門山・輪波の花・安積猛虎 他多種 日本春蘭 虎斑 『輪波の花』 「中透斑」 葉の中央部分の緑色が退色し、薄黄又は黄色に透けています。芸としては優しい感じを持ちますが、最上芸を見ると繊細優美な中にも力強い堂々とした感じを与えます。 代表種:国宝・金閣宝・大雪嶺 他多種 日本春蘭 中透斑 『金閣宝』 「蛇皮斑」 葉面に大きく黄色の斑が広がり、その斑の中に緑の小点を散らします。 これは実に繊細な芸でいつまでも見飽きる事もなく、幽玄の世界に誘われるといったら言い過ぎでしょうか。 代表種:守門竜・錦波・宝竜 他多種 日本春蘭 蛇皮斑 『群千鳥』 「覆輪斑」 中透けとは逆に葉のヘリの部分の緑色が退色し、白又は黄色になります。 或いは単純な芸のように見えるかも知れませんが、一切の無駄を省いた清冽さこそが魅力なのです。 代表種:帝冠・聖晃・雪月花 他多種 日本春蘭 覆輪斑 『聖晃』 他にも幾つかの種類が有りますが、以上の4種が基本の芸ですのでまずはこの芸を楽しんで下さい。
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