東洋蘭とは?

東洋蘭
日本と中国・韓国・台湾等の極東に産する春蘭や寒蘭を中心としたシンビジューム属の総称です。
大きく分けると「日本春蘭」「中国春蘭」「寒蘭」「けい蘭」「その他の東洋蘭」に分けられます。
また広い意味ではシンビジューム属ではありませんが「長生蘭(石斛)」「富貴蘭(風蘭)」などをも含んで言う事も有ります。



日本春蘭(一茎一花)
日本全紅玉国に自生する春蘭の中から花の色や花弁の形又は葉に芸(普通の春蘭とは違って、花色が変化したり葉に斑が入ったりする事)を持った個体を選別し、それを鑑賞します。
大きくは花物と柄物とに分け、これらの開花期は3月下旬前後が中心です。
また韓国産の春蘭は全く日本春蘭と見分けがつかないほどで、最近では日本の鑑賞基準で選別されたものが現地で一大ブームとなっており、日本に導入されたりもしています。



宗梅
中国春蘭:(一茎一花)
中国東部を中心に分布する中国の春蘭の中から花色の変化や斑柄等にではなく、中国人独特の鑑賞基準に基づき花の緑の透明さと花型の整った個体を選別し鑑賞します。
特に舌(洋蘭で言うリップ)や花弁に全く紅色を含まない素心と呼ばれるものが好まれているようです。
また日本春蘭には無い大きな特徴として清々しい香りを持つ事と開花期がやや早く2月下旬から3月上旬を中心に咲く事があげられます。
他に一茎九華と呼ばれる一群も有りますが、これはやや大型のもので、一茎に10花程を咲かせるボリューム感にあふれる種類です。
厳密には春蘭の仲間ではないのですが、中国春蘭の1種として扱われています。


桃里


寒蘭:(一茎多花)
春蘭とは違って紀州・四国・九州等の気候が温暖な地域にのみに産します。
また花の色が紅・桃・黄・紫等種々の花が咲くので愛好家も多いのです。
元々花型が良いので、花の形もさることながら花色の澄んだ美しさを楽しむのが主流のようです。
これもまた素晴らしい芳香を発して楽しませてくれ、開花期は11月後半が中心です。
また日本春蘭と同じように葉に斑が入る柄物も有って花と葉の両方を楽しめる品種も有ります。






けい蘭:(一茎多花が主)愛国〈広葉けい蘭〉
これは寒蘭とは逆に、もっぱら葉に入った斑柄の美しさを鑑賞します。
「広葉けい蘭」と呼ばれる報歳蘭の仲間や「細葉けい蘭」と呼ばれる建蘭の仲間が有り両者共に素晴らしい名品がたくさん有ります。
「細葉けい蘭」の中には素心蘭と呼ばれる1群が有り、これらの花は他種の花と比べても勝るとも劣らないものです。


その他の雲南雪素東洋蘭:
色々と有りますが「中国奥地産の蘭」や「台湾産の蘭」等が人気の様です。
「中国奥地の蘭」と言っても本当の奥地と言うわけではなく雲南・四川省を中心とした地域産の蘭の総称のようです。
中でも一茎二花や多花の蘭に見るものが多いようです。
「台湾産の蘭」は糸蘭・ピアナン蘭・台湾寒蘭等の品種群が昔から好まれているようです。
特にピアナン蘭素心は名花として愛好者が多いのです。





育て方は難しいの?
元来が温帯(含日本)の野山に自生するシンビジュームの仲間なので、そんなに難しい事は有りません。
洋蘭もそうですが、それぞれの品種に合った一寸した愛情で楽しむ事が出来ますし、こつさえ飲み込めば水遣りの回数も他の草花に比べて格段に少ないなど忙しい方にも管理が楽なので是非育ててみて下さい。





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